15年前の夏。
少年の花火遊び— 龍之介と拓海の無邪気な火遊びが、
隣のアパートを全焼させた。
黒焦げの妻を抱えて現れた男・埜本。
その光景を前に、二人の人生は止まった。
やがて—
罪に蓋をし前へ進もうとする龍之介(磯村勇斗)は、
アーチェリーのオリンピック日本代表選考に残る
強化選手として日々を過ごしていた。
一方、過去に取り残されたままの拓海(末澤誠也)は、
いまだ罪の記憶から抜け出せず、
陰鬱な日々を送っていた。
対照的な二人の前に、
あの火傷の男・埜本が再び現れる。
ところが彼は、恨みどころか“慈愛”そのもの。
優しすぎて、どこか怖いほどに。
「君はもう、充分に償ったよ」
不気味なほど優しい埜本の言葉は、いつしか—
彼らにとっての
“mentor/メンター”(助言者・導き手)となっていく。


𠮷田恵輔(監督・脚本)
私は大切な人を亡くした事が何度かあり、その度にうまく泣いたりする事が出来ず、
自分は冷めた人間なんじゃないかと落ち込んだりします。
友人から哀しみ方は人それぞれ、比べるものじゃないと言われ救われた気持ちになりました。
この物語も罪の意識、喪失感、人によっての捉え方の違いをテーマにしています。
身に覚えのある痛い所をついていきながら、感動できる作品を目指します。
磯村勇斗(益子龍之介役)
𠮷田恵輔監督の作品は以前から拝見していて、いつかご一緒したいと思っていました。
アーチェリーという役柄にも挑戦してみたかったので、
今回のお話はまさに“やってみたい”が重なった奇跡のような出会いでした。
𠮷田監督はとてもフランクでお話ししやすく、きっと現場も明るく進んでいくのではという予感があります。
どんな化学反応が起こるのか、まだ自分でも想像がつきませんが、
だからこそその“わからなさ”を楽しみに、現場で生まれる瞬間を大切に撮影に挑みたいと思います。
末澤誠也(上谷拓海役)
個人としては初の映画出演で、しかも主演という形で𠮷田恵輔監督の作品に参加できること、
本当に光栄に思っています。
今まで演じたことのない役どころに向き合うのはプレッシャーもありますが、
それ以上に喜びと覚悟の方が大きいです。
磯村さんとも初共演ですが、とても話しやすく、ここから一緒に関係性を築けたらと思っています。
日々の現場の中で吸収しながら、自分をアップデートし、全力で良い作品にしていけたらと思っています。